2008年06月16日

お金は銀行に預けるな

勝間和代著「お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)」光文社新書、¥735
勝間さんの金融リテラシーに関する本です。「勉強本」で以前からお世話になっていましたが、この本は勝間さんのご専門に関する著作で、啓蒙書ですね。

 さて、お金を運用するのはなぜ大切か? 金融の知識を活用することにより、労働からの収入にばかり頼るのではなく、金融からの収入を得て「仕事だけに依存しない」生活を築くことを勝間さんは勧めています。いわゆるワークライフバランスですね。日本人の多くが資産運用を預貯金・持ち家・生命保険の「三本柱」で支えていることは著しくバランスを欠く。「本書を読み終えた1年後には、金融の基礎知識や商品知識をだいたい理解し、自分の意志で資産構成を決められ、おおまかなリスクとリターンを管理できるというところにゴールを設定しています」(p.8)との明確な意図が、本書に込められています。

 本文では、まず第一章で金融リテラシーの必要性について述べ、第二章では具体的な金融商品について解説をしています。株や投資信託に限らず、広く不動産や生命保険、商品にも目配りをしており、私も勉強になりました。第三章はいよいよ実践。「金融でしっかり儲ける方法の基本5原則」、「金融リテラシーを身につけるための10のステップ」などは参考になるでしょう。この「10のステップ」にならい、今年はぜひステップ8の「投資信託以外の商品」、すなわちFXや商品などをはじめたいと思っているところです。

 最後の第四章は「金融を通じた社会責任の遂行」として、資本主義の限界に対して金融リテラシーを身につけることで何ができるのかを考えています。ここ20年あまり、小さな政府を志向してきたことで所得格差が広がっています。減ることの確実な年金をおぎない、そして自分だけでなく、子孫までもが格差に苦しむ可能性を減らすため、われわれは金融リテラシーを身につけることが必要である。また「金融には、政治と同じように社会を変えうる力がある」(p.209)、あたかも「私たちが政治について参政権を持っているように、経済についても投資を通じて参政権を持っている」(p.215)かのように振る舞えるのだとしています。つまり私たちは「短期的な利益につながらなくとも、中長期的には社会全体をより充実させる方向性をもった企業に投資する」(p.212)ことができるのです。これは大切なことだと思います。株を買うことをよく「企業を応援する」ことにたとえますが、短期的な利益を求めて頻繁に売買を重ねるのではなく、中長期的な視野を持って応援する。長いこと持っていられる株を選ぶ姿勢は必要です。地元の企業、環境・文化・社会への貢献、従業員への配慮など、多様な点を考慮する必要があると思います。SRI(社会責任投資)ファンドを有効に活用してもよいでしょう。
 最後に、金融教育について述べておられます。このサイトでもカテゴリを設けていますが、最近は何もエントリしていませんね。わが家では今年、2番目の子が小学校に上がりますから、また「おこづかい問題」が出てくると思います。このことも今後考えていきたいと思っています。
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2008年06月14日

チームハックス

大橋悦夫・佐々木正悟著「チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術」日本実業出版社、¥1,575
チームで仕事をするときのコツを紹介した本です。特にブログやwikiを使う手法は参考になります。これは一人でやっていても意味がない。チームの全員が使うことが前提です。私の職場には、一人一台のPC環境はありませんので、残念ながらそのままは使えませんが、それでもやってみようというのがいくつかあります。

 Webツールはとても有効だと思います。一人で何かを成すのではなく、共同で作り上げる。wiki、google calendar、はてなグループなど、無料で使えるWebツールは、多くの人にとって有効でしょう。オンラインに載せることで、個人情報が流出するなどの危険性はありますから、そのあたりの取り扱いは要注意ですが、普通の使いかたをしている分には問題ないでしょう。予定を共有したり、タスクを公開するのはプレッシャーにもなるでしょうが、仕事を前に進める力が大きいことも事実だと思います。google calendarはIDを持っていますが、今はほとんど使っていないので、ふたたび使ってみようと思っています。しかし予定はカレンダに書き込むのが一番使い勝手がいいのですよ。転記する手間が発生すると、結局使わなくなっていくのかなと思いますが、このあたりはさらに考えておく必要があります。

 この本のもう一つのウリは、ITとは正反対のことがら、実社会でのコミュニケーションです。それは「気配り」だったり、「声がけ」です。ちょっとした、「ハック」なことがらに心理学的な裏付けをしながら解説する形式となっています。
 私はどちらかというと、いわゆる「アナログな」コミュニケーションは得意ではありません。伝えることを忘れていたとかよくありまして、迷惑をかけてしまうことが少なからずあります。メモをとっていても忘れますし、メモを取ること自体を忘れてしまうこともしばしば。もうどうしようもないぐらいに、ダメダメですね。どんなツールを使おうと、結局この部分がなおざりになってしまっていては、組織としては完全な形で機能することはないでしょう。

 「アナログ」だけなら今イチ、デジタルだけでもダメ。そのあたりのバランスは必要になると思います。
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2008年05月10日

マネーはこう動く

藤巻健史著「マネーはこう動く―知識ゼロでわかる実践・経済学」光文社、¥1,575
気がついたら、フジマキさんの本が出ていました。発行が2007年7月30日。8月20日でもう4刷です。ちょっと遅くなりましたが、手に入れて読みました。まえがきによると、フジマキさんの資産運用のしかたを通して、「自然に金融とか経済の基本的な知識が身につくのを目標にしたいと思います」(p.2)との意図で書き進められていますが、そのとおり、今の日本経済が抱える問題の丁寧でわかりやすい説明になっていると思います。

 さて、最初に日本銀行のバランスシートを通して、日本経済の抱える今の問題を明らかにしています。現在の問題とはすなわち、日本にマネーがじゃぶじゃぶあふれるほどあるということ。これは国債の発行残高が800兆円を超えていることと決して無関係ではありません、話の流れとしては、国の借金が1996年から2006年までの10年間で2.5倍にふくれあがってしまった。この国債は市中銀行も買いましたが、それだけではさばききれない。だから日銀も手伝って国債を購入しました。この国債を買うために、日銀がたくさん日本銀行券、すなわちマネーを刷ってきました。この、日銀がたくさん刷ってきたマネー、これと日銀にある市中銀行の当座預金を足した金額がベースマネーですが、本来であればベースマネーが増えると信用創造を経て、マネーサプライが増えるはずです。しかし信用創造が起きず、ベースマネーがマネーサプライにつながらない状態になっています。

 この段で行くと、もし何かのきっかけで信用創造のメカニズムが働くようになると、ひょっとしたらインフレ、しかもかなり大きなインフレが起こる可能性があります。ここからフジマキさんのいつもの話につながっていくのですが、要するにこれから資産インフレが起こるかもしれないので、「長期固定でお金を借りるだけ借りて、日本の不動産を買う」、「日本株を買う」、「日本の国債を売る」という話につながっていきます。もう一つ、フジマキさんは「インフレが起こるかもしれないので、外貨建て資産を持っておけ」という流れになります。中でもアメリカの株はまだまだ上がる、アメリカの経常赤字もサブプライムローン問題も関係ない、じゃんじゃん買うべきとのことです。現在はサブプライム問題が尾を引いていて、為替は円高方向、アメリカ株は下落方向に向かっていますが、見かたを変えれば、ドルや株が安くなっているうちにたくさん買っておくべきということになるでしょう。私は、方向としてはフジマキさんのおっしゃっておられることに賛成です。手持ちの預貯金は、可能なかぎりドルやその他の通貨に変えておくことは有効だろうと思いますし、借金をしてまで買うかどうかは別として、土地などの資産を買っておくことはまちがっていないのではないかと思います。

 本文中、アメリカの経済は絶好調だからバブルはない、アメリカ人もバカじゃないからサブプライム問題などぜんぜんリスクのうちに入らない、みたいな強気の発言が見られますが、このあたりはご愛敬ですかね(笑)。実際にはアメリカこけたら世界経済全体にも悪影響が及ぶおそれがあるでしょうから、笑っているばかりでもいられませんが。それでもヨーロッパは順調ですね。ずっと前から、ユーロを買っておくべきだと思っていましたが、わたくしがユーロを仕入れた120円前後の価格がアンカーになっており、結局買えずじまいで、今の局面を迎えています。

 グローバル化と少子化問題の進展で、日本経済の行き着く先が懸念されていますが、確定拠出型年金についてはやはり早めにはじめておかれる方がよろしいのではないでしょうか。運用期間が長いほどたくさん増えるはずです。仮に増えないとしても、今の確定給付型は破綻する、または払った分ほどはもらえないでしょうから(笑)、それなら自己責任で運用するほうが「やられた」と思う感覚は少ないのではないでしょうか。訳もわからないうちにお上に召し上げられるより、自分で運用するほうがずっと「やりがい」があると思います。

 ざっとフジマキさんの議論を見てまいりましたが、私はおおむねフジマキさんの論には賛成です。借金してまで資産インフレに備えるかと言われればそこまではしませんが(だいいち普通の人に、運用のためのお金を貸してくれる銀行はありませんよね)、それでも株と外貨建て資産を増やしていきたいと考えています。
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2008年03月25日

コピー用紙の裏は使うな!

村井哲之著「コピー用紙の裏は使うな!―コスト削減の真実」朝日新書、¥756
私どもの会社では、コピー用紙の裏は使っていますね。ボスがコスト削減を強く主張しています。蛍光灯はところどころで間引きされています。ボス直属で、蛍光灯がきちんと間引かれているか(笑)チェックする人間もいて、この人に辞めていただくことがもっともコスト削減になるといわれていたりします(笑)。しかもこれがまた使えない人…… そのかたが来ると現場が暗くなるので、なるべく顔を見たくないと正直思っています。

 そもそも、「コスト削減行為」そのものが現場を暗くしていると私は思っています。しかし、それはちがうとするのが本書の主張。コスト削減はもっとポジティブな考えかたに基づいていて、組織の体質強化につながり、削減されたお金を原資に、社員に還元したり、新規投資に回すなど、目的を持ち、「正しく」経費削減に取り組むべきだとしています。「組織にとって、人間の労働こそが力であり、財産です。すべての人が、持てる力や才能を存分に生かせるようにすることも、コスト削減の大きな目的といえるのです」(p.37)。自動車メーカのトヨタが、毎年前年比で2000〜3000億円のコスト削減を実施しているということですから、すごいですね。本を読むと、零細企業の我が社でもできることがたくさんあるように思います。特に契約関係はチェックしてみる必要があるのではないでしょうか? 水道光熱費、コピー機関係、通信関係などはたぶんムダがたくさん隠れていそうです。

 本を読んで、コスト削減を進める中で特に目についたのは、検証することの重要性です。検証するためにはデータの蓄積が必要ですから、大変なことはまちがいないのですが、それでもコストが十万円でも、あるいは一万円でも下がるのであれば、やってみる価値はあるのではないか。そして削減の成果は会社だけが取るのではなく、必ず社員に還元すること。これによって社員の士気も上がり、より高い次元で仕事ができるようになるとする筆者の主張には、とても説得力があります。ムダで無意味な策ではなく、的を絞って、適切な手段でコストを下げていくこと。自分にできることがないか、探します。そして会社を巻き込む努力も。

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2008年01月16日

デスクトップの技術

中野不二男著「デスクトップの技術 (新潮選書)」新潮選書、¥1,155
この本、奥付によると、発行は2002年9月15日ということですから、今から5年前の本です。すでに「古くなっている」感は否めません。たとえば、今となってはPDAは(たぶん私だけではなく、世の多くの人が)使わなくなっているのではないでしょうか? 私の場合も一部はケータイに行き、残りはまたアナログの手帳に戻っています。この本の一部分は5年間の時間の経過に耐えなかったということはいえるかと思います。

 いっぽうでアナログの手帳に関する記述などは今でも参考になります。リフィルを自分で作り、自分にあった手帳の使いかたをするなど、私もよくやっています。ただし、私の場合は罫線も何も引いていない真っ白なリフィルを、そのまま使うのが一番多いのですが。

 理想的な部屋については、広さそのものは大事ですが、問題は机を広く使えるかどうかだと思います。今、オフィスであろうと自宅であろうと、パソコンが机の上にでんと構えているはずで、他に何もおけないと机の機能としては不十分です。
 このブログは出張先のホテルの部屋で書いています。日本のホテルは狭いですね。掃除は行き届いていてきれいですけど、あまりに狭くて閉所恐怖症になりそうです(笑)。で、机も当然狭い。作りつけで、奥行きが60cmぐらいです。しかしこの60cmぐらいの奥行きの机はけっこう使えるのではないかと思います。私の部屋の机は奥行きが70〜80cmありますが、手前にPCを置いたら奥はムダにスペースが空いてしまうのです。いまだにモニタはブラウン管ですが、これで液晶モニタを置けば奥行きはそんなに必要ない。私のはスチール事務机で、小学校に上がるときに買ってもらったものを現在も使っています。幅は120cmありますが、引き出しがついているので机の右側のスペースが活かされていません。そして奥行きがムダに広い。すると、PCをおく環境の中で今のところベターな机は、奥行き60cm、幅は広ければそれでよいですが、少なくとも引き出しのないもの。このあたり、日垣氏と同じ結論に落ち着きそうです。ただし、今の私がその環境に移行できるかというと、現在の机を処分しなければなりませんので……

 他に、中野氏は百均のホワイトボードを使って、ちょっとしたメモを取っておられるとのことですが、私は早く処理しなければならないものとか、ちょっとした覚え書きであればすべて紙のメモに書き込んで、メモクリップにはさんで机の上に置いています。保存が必要であれば机の上のクリアチェストに分類して入れておく。今のところは散乱して困るほどのメモがないので、私の場合はこれで充分機能しています。またPCでのデータの管理はoutlookを使い倒していらっしゃいますが、私は会社でも家でもoutlookは使ったことがありません。セキュリティのことなど考えると、outlookやexplorerは選択肢には上がってきません。このあたりは考えかたの違いでしょうか?

 中野氏は2003年に「知的DIYの技術―木製玩具から山荘作りまで (新潮選書)」という本を出しておられます。こちらもちょっと読んでみたいと思っています。
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2007年12月25日

運用以前のお金の常識

柳澤美由紀著「運用以前のお金の常識」講談社、¥1,470
「お金持ち体質になれる」とのことで、読み始めました。たしかに「運用以前に」大切なことが詰まった本だといえるでしょう。

○保険(私にとっては苦手分野です)。
(1)自動車保険に「人身傷害補償保険」として歩行中のケガにも保険をつけるやりかた。車との事故になら使えるそうです。保険料が増えるので私はまずしないと思いますが、家族の事故にまでつけられるというのはいいですね。私も自転車に乗りますから、ちょっと心が動かされます。
(2)個人賠償責任保険。すでに入っている保険の特約としてつけられるそうです。

 しかし日本人一般には保険に入りすぎとよくいわれます。私も実際かなりの保険に入っていますので、これ以上の保険は必要ないと思っています。いざとなったら預貯金等を取り崩せばいいだけのことですから、不必要な保険はやめるべきです。毎年払うものですからね。

○傷病手当金
病気やケガなどで働けなくなったときに、4日目から給料の2/3の金額が最長1年6か月分、健康保険から支給されるしくみがあるそうです。これは知りませんでした。これは会社の休業制度と組み合わせれば、とりあえず2年分近くはある程度の収入が確保されそうです。覚えておきます。

○お札が破れたら取り換えてもらえる。
 このこと自体は多くのかたがご存じだと思いますが、「燃えて灰」「子どもがシュレッダーにかけた」なども、日銀に持っていって紙やインクの質から本物と判断されれば新しいお札に引き替えてもらえる可能性があるそうです。これは知らなかった!

 本文中、クレジットカードを使うことはけっこうたたかれています(笑)。カードを使う人は預貯金が少ない(p.34、p48)、クレジットカードを使って儲かるのはカード会社(p.108)など。たしかに使いすぎるとダメですね。しかし私は日常的な買い物でカードが使えるものはすべてカードで支払っています。普段財布に入っている現金は1,000円程度(笑)。「ほしいもの」をカードで買うのはたしかに歯止めがきかなくなるでしょう。しかし「必要なもの」は現金だろうがカードだろうが関係ないので、カードを使ってポイントを貯めたほうが利口です。私はいわゆる「陸マイラー」で、こうした考えが染みついています(笑)。私のモットーは「すべてはマイルのため!」。

 というわけで、知っている人には知っていることばかりでしょうが、そうでないこともたくさん書いてありますので、どうぞ。ちなみにこの本、講談社の「以前シリーズ」の1冊だそうですが、このシリーズはおもしろそうですね。特に本多弘美著「そうじ以前の整理収納の常識」というのは気になります。気が向いたら読んでみたいと思います。
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2007年10月22日

現役プライベート・バンカーの5年後にお金持ちになる資産運用

前田和彦著「現役プライベート・バンカーの5年後にお金持ちになる資産運用~資産防衛のプロが教える「相場に左右されない」投資のルール~」フォレスト出版、1,575円
プライベート・バンカーによる資産運用の本です。日本人の多くがマネーゲームに巻き込まれてしまっているが、正しい資産運用を知らないと筆者はいいます。
 この本、非常に良心的だと思います。筆者がポイントを置くのは3点、
1) 流動性(換金性)を重視する
2) 「相場に左右されない」効率のよい投資を行う
3) 資産を保全する
というわけで、とても地に足のついた投資指南を行っておられます。金融商品については、だまされる人が後を絶ちませんが、その理由は「目に「¥マーク」が出ている」、すなわち欲に目がくらんでしまうからだとおっしゃいます。そして、「だまされるほうが悪い」と喝破しておられるあたり、好感が持てます。またデイトレーダの生き方を、儲かる・儲からないという観点ではなく、「人間は、何かを成し遂げたことを、みんなで共有してはじめて楽しいと感じます」(p.37)、「お金はなければ困ります。それなりにあったほうがいい。でも、ありすぎても意味はないのです」(同)といわれるあたり、私としても全面的に賛成します。また、効果的なお金の投資先は「自分だ」とされる点、多くの人が同じようなことをいっておられます。「収入を増やす一番のベースになるのは自分が勉強し、専門性を磨いたかどうかです」(p.45)。最近では勝間さんが同じことをおっしゃっています。
 金融商品について、一通りの解説を加えてくださっているのも役に立ちます。外貨、債券、不動産、投資信託…… 買わないほうがよいものが多いです(笑)。一般に海外で資産運用するのはむずかしいですから、よしておくほうがよいのかな? もし海外で資産運用するのなら、必ず事前によく勉強して、知識を身につけておいてから始めなければなりません(このあたりは自戒も含めて)。損するのは自分ですから。

 実践編として、「通貨ポートフォリオ」の考えかたと、その発展形としての運用方法を解説しておられます。外国債券については、「グローバル債」というのが出てきます。これは私、よく理解できていないので、ちょっと調べてみようと思います。通常の債券とグローバル債券を見分けるのがむずかしいので、証券会社にきちんと尋ねるようにとのアドバイスがあります。また、トリプルAの銘柄で長期の世銀債やアメリカ国債などを推奨しておられます。今のところはせいぜい5%ですが、金利10%の20年債などが出てきたら要検討とのこと。またベトナムや中国への投資についても言及していらっしゃるので、関心のあるかたは目を通してみてください。
 最後の第5章では、「一生お金に困らない生き方」が出てきます。外貨を円転しない生きかた、海外口座の活用法などは知っていて損のない考えかた、知識だと思います。私も常日頃、同じようなことを考えています。

 筆者はあとがきで、日本にも日本独自のプライベートバンクを創設することを提案しておられます。プライベートバンクは富裕層のための金融サービスでしょうから、私たち庶民にはあまり関係ないかもしれません。仮に私にひとかどの財産があっても、プライベートバンクのようなサービスを使うかどうかはわかりません。私は、こういったことを自分で考えるのが好きなのであって、あまり他人に頼りたいとは思いませんし。しかし、自分が行き詰まったときに、誰か相談する相手がいるというのは心強いものです。そうした意味では、日本にもプライベートバンクのような存在は、あってよいのではないかと思っています。日本に本物のプライベートバンクができるまでは、この本で勉強してみてください(笑)。
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2007年08月21日

和田秀樹著「試験に受かる人落ちる人」

和田秀樹著「試験に受かる人落ちる人」です。世の中には要領のよい人と悪い人がいて、多くの場合は両極端の間のどこかに位置していると思うのですが、一般的な傾向としてはやはり要領のよい人のほうが試験などにも受かりやすいということはあるように思います。私自身はどちらかといえば要領のよいほうに属していると思うのですが、たまに自分ではコントロールできなくなるほど要領が悪いことをしているときもあります。要領がよいことばかりを徹底してできれば、もう少し人生が楽になるかなと思うこともあります(ちょっと大げさですが)。

 最初に、「試験に落ちる人」の10大要素が出てきます。
1. 予習ばかりしてしまう人
2. お金をケチる人
3. 周りをすべて敵と思う人
4. 難しい問題を解きたがる人
5. 満点主義の人
6. 禁欲的な人
7. 苦手科目の克服に時間をかける人
8. 性格の悪い人
9. 恥ずかしがる人
10. 諦めのいい人
それぞれにどんな意味があるかは本文に譲りますが、これを裏返せば、すぐ「試験には受かる」ということになります。試験でものを言うのはもちろん実力ですが、では実力をつけるためにはどうすればよいのか? 勉強の方法も含めて、ここに上がっている点に注意すると、ずいぶん変わるのではないかと思います。

 ひとつ、肝に銘じておかなければならないのは、「試験は結果がすべてである」(p.10)こと。かつて自分の周りにも、「マークシートで一つずらして解答してしまった」などと話していたバカがいましたが、それがいったいどうしたのでしょうかね? できなかったことの言い訳としか思えませんが、あまり意味のある発言とは思えず、自分がバカだと言いふらしているようにしか思えないのですが。それともなぐさめてほしいんですかね? 本当にまちがえたのかもしれませんが、結局著者が言うように、落ちたことがすべてを物語っているのです。勉強法、体調や環境の整えかた、全部とは言いませんが、何かがまちがっているのです。
 しかしあとはカンタン、何がまちがっているかがわかれば、それをしなければよいのです。具体的な勉強法は、同じ著者の「大人のための勉強法」をご参考にされたらよいでしょう。

 試験のために勉強するのはそれほど楽しいことではないですが、試験は実力を計るための物差しです。資格試験であれば、「合格」というごほうびが待っているわけで、それは具体的に報酬のアップや地位の向上としてつながってくることと思います。
 つけ加えておきますが、必要に迫られて勉強することばかりではなく、単に「勉強したいから勉強する」というのも、もちろんあっていいと思います。学ぶということは楽しいですから!

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2007年05月24日

田村秀著「データの罠―世論はこうしてつくられる」

田村秀著「データの罠―世論はこうしてつくられる
無作為で抽出された標本は5%の誤差で推定する場合、400弱あればじゅうぶん。誤差2%なら2,500程度でじゅうぶんなのだそうです。大学時代、ゼミの先生が「サンプル数3,000程度の調査であれば、ほぼ信頼に足る」とおっしゃっていたのはこういうことだったのかと合点が行きました。だから問題はまず対象の選びかた。新聞の世論調査だと新聞名を出した時点で右とか左とかの毛嫌いするかたがたくさん出ていらっしゃいますし。性別、住んでいる地域、年齢、その他要素がきちんとバラけていることが大切です。

 そして筆者によれば(というより「統計学によれば」との説明のほうが正しいかもしれないが)、もう一つ大切なのは回答率。できれば60%、最低でも50%程度は必要とのこと。統計学はいつかしっかり勉強したいと思っている分野のひとつです。アンケートや世論調査の持つ意味合いがよくわかるのではないかと思うからです。この本、文系で数学の得意でない、私程度の人間でもおもしろかったです。数式も算数程度のかんたんなもので、すんなりわかりました。

 最近職場でアンケートを作ったのですが、私も一つ、設問の中に作為的に「やむを得ない」というのを作っておいて、顧客満足度が低いという材料にさせていただきました(笑)。と言うわけでこの本、かなり使えます(笑)。

 面接方法による質の違い、特にインターネットを使った調査に問題が多いことはちょっと考えればわかります。インターネットやPCを使うことが特別なことではなくなった現在でも、こういった分野に関心を持っている人たちの回答が、無作為に抽出された回答と同一であるはずはありません。テレゴング(名前ははじめて知りました。テレビでよく利用されているやつ)もしかり。

 調査結果の利用についても、同じ結果を肯定的にとらえるのと否定的にとらえるのでは、ずいぶん印象が違ってきます。新聞など、複数のものに当たってみておくことも大切です。

 いろいろな調査について、たとえば都道府県や市町村等のランキングにはあまり意味がないと常々思っていましたが、中にはこうしたランキングを上げるための施策を採るところもあるそうで、住んでいる人にとっては迷惑な話です。もちろん自分が住んでいるところが上位にランキングされればうれしいですけどね。また経済効果についてもかなりうさんくさい数字であることが説明してあります。すなわち、間接的な効果など、プラスにカウントされそうなものはどんどん上げているのに対し、マイナスにカウントされるものはほとんど考慮されていないとか。ずっとこの手の話は疑問に思っていたのですが、すっきりしました。

 実例を挙げて説明していますが、やはり物事を批判的に見ておくことは大切だと思います。数字が上がっているからと言ってその数字が正しいとは限らないし、また正しいからと言って本当に額面通りに受け取っていいのか? そこに何らかの意図や誘導があるのではないかと疑ってみるのは大事で、やはり特定の方向へ誘導しているケースは少なからずあるようです。そうした世論を形成しようとすることは、しかたない面もあるでしょうが、我々はそのことには気づいておくべきだと思います。惑わされないことも大事ですし、「惑わされているのかもしれない」と意識しているだけでもずいぶん違うのではないでしょうか?
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2007年05月19日

鎌田浩毅著「ラクして成果が上がる理系的仕事術」

鎌田浩毅著「ラクして成果が上がる理系的仕事術」PHP新書、¥777
「ラクして成果が上がる」とはまたずいぶんと打算的というか利己的というか、けしからんとお怒りのオトーサンもいらっしゃるのではないでしょうか(笑)。文系サイドからは「これだから理系の奴らは」との声も聞こえてきそうな今日この頃ですが、私にないものを期待して読み始めました。Lifehackもしかりですが、この手の本には弱いのですねワタクシ(笑)。仕事なんかどうでもいいと思っているからでしょうか、成果はラクして出したいと思います。渾身の力を振りしぼり、最高の仕事をしようなどとは考えていません(笑)。仕事のために生きているわけではなく、生きるために仕事をしているのですから、あくまでお金を稼ぐ手段と割り切っています。しかし寝る時間を除けば、家や家族と一緒に過ごす時間よりも長い時間会社にいるわけですから、同じなら楽しいほうがいい。仕事のしかた、同僚との会話、上司のとやりとりなど、ノウハウが有効であれば、参考にすればいいのではないでしょうか。

 さて、第1章に著者の仕事場の様子が写真で紹介されています。すべての資料にラベルが貼られ、分類されているとのことですが、私にはこのようなことはできません。いきなり敷居の高い話からはじまって、これはすぐブックオフ行きだなと思ったのですが(笑)、せっかくですから読み始めました。

 この本は3つの章、それぞれに3つの節からなっており、見通しのよい本です。具体的な手段として16の手法が上げられています。「理系」「文系」と分けるのはあまり意味がないというか、今どきの学生もこんな区分けするのでしょうか? 社会学系の学部でも今日び数学は必要ですし、理系学生も金融機関への就職が当たり前になっています。ただ、理工学部出身の私の友人は、たしかにこの本のように行動しているように思います(笑)。つまり「アウトプットまで最短距離で到達するためにどう動くか」につきる。あらかじめ結論を出しておいてから書く。しかしこれはアメリカで小学生向けに出版されているエッセイの書きかたの本にも書いてあります。日本って作文の授業をきちんとしないのですよね(笑)。こういうのは理系文系を問わず、小学生のうちに教えておいてほしいものです。

 話がそれましたが、ゴールに到達するための手段を、筆者はかなり具体的に説明してくれています。いろんな場所で聞いたことのあるようなものも多いですが、
○完全にこだわらない
○全体を見渡す
ことを目的とする手法は参考になります。また具体的なノートの取りかた、メモの作りかたなども使えるのではないかと思います。「効率的なアウトプットを行ううえでは「拙速は美徳」」(p.205)は大切です。とにかく早くアウトプットを出すことがもっとも大切。こまかい「てにをは」は、直すのが好きな人(=上司)が直してくれます(笑)。

 ちなみに鎌田氏と違い、私がレポートを作る場合には、とにかく最初からPCに向かいます。大量の「パーツ」を作っておく。その中から必要なものをカット&ペーストで仕上げていっています。最初に文書の流れは考えますが、書いていくうちに変わることもしばしばあります。書くうちに新たなアイディアが浮かぶこともありますから、これを織り込まない手はありません。また、何か書いてなければ作りようがないので、とにかく書きます。で、書くというのはとにかく関係ないことでもなんでも書いてしまう。鎌田氏も最後のほうでおっしゃっていますが、「アウトプット優先で行動すると、書ききれなかったり使わなかった余り(おまけ)が必ず出てくる。(改行)そうしたアイデアや資料には空の棚を用意して、ラベルだけ貼って保管しておく。(中略)オマケは宝の山である。新たな知的生産を行うための大切なシーズなのだ」(p.247)。そのためにもたくさん書いておき、PCに保存しておきます。あとでどれだけ使うかといえば疑問なのですが(笑)、とりあえずPC上のファイルなら場所は関係ありません。

 メモについては皆さんはどうしていらっしゃるでしょうか? 私はGTD関係の本だったかサイトだったかで見かけて以来実践しているのですが、家のカギがついているキーホルダ、あれに学生時代にお世話になった単語帳をつけています。あの、2cm×5cmぐらいの、表に単語を書いて裏に意味を書いたりして使っていた、あれです。ペンもいっしょに。だいたい、ペンは借りたりできるのですが、紙がなくて困ることのほうが多かったのですが、ちょっとしたメモにはこれで充分用が足ります。本屋とかで手帳を出して書き込むのは抵抗がありますが、これぐらいのサイズなら店員のかたに見られても大丈夫かなと(笑)。あと、この単語帳、1日10枚ぐらい使うことを目標にしています。とにかく何でもメモする。強引に発想をわかせるためです。このサイズだと長い文章は書けないので、アイディアを書き留めるといってもかなり限定的なのですが、座ってメモをとれるような場所であれば手帳に書き込めばいいわけですし、歩いていたり立っていてちょっと書き取っておきたいときに重宝します。これ必需品。

 時間管理については、「当日のスケジュールは、仕事始めの朝に書き出すのではなく、前日の仕事の終わりにあらかじめ作っておくとよいだろう」(pp.63-64)は実践しています。あとここに書いてありませんが、翌日の予定を考える時間を、あらかじめスケジュールしておくことも大切です。私の場合、17:30に終業ですが、17時から30分間をこれに当てています。以前は「帰る前に」と思っていたのですが、電車の時間が迫ってくるとそんなことしている暇がないので、とにかくこの30分だけは明日の自分のために空けるようにスケジュールしておくのです。そして金曜日はこの時間を少し長めに取り、翌週の予定を考えておきます。

 本に線を引いて読む、これも大切ですが、借り物の本とかブックオフに売るようなのはできませんから(笑)、ポストイットをたくさん用意しておきます。大きめのサイズのやつです。本には何かアクションを起こしておかないと、あとでレビューするとき大変なのですよね。そのままメモにも使えるかもしれませんし(私は使ったことありませんが)。

 こんなことを私は実践しています。全部を真似する必要はないし、この本の通りにしなければ生産性が上がらないというわけでもありません。打算的でけっこう。自分にあった方法を、自分にあう部分だけ取り入れる。一番大事なのは実行することです。
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