2006年11月22日

S.D.レヴィット、S.J.ダブナー著「ヤバい経済学」

スティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー著「ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する」東洋経済新報社、¥1,890

私にとっては今年最大の収穫の一つといえる本かもしれません。

 90年代、アメリカでは犯罪が増えると言われながら、実際は激減しました。その理由は何か。よくいわれている、好景気による経済の好転でも(私はこれだと思っていました)、効果的な取締まり戦略(いわゆる「割れ窓理論」)、麻薬市場の変化…… どれもまったく効果がなかったわけではありませんが、根本的な理由はもっと別のところにありました。答えは−−
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2006年10月23日

チャールズ・エリス著「敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか」

チャールズ・エリス著「敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか」日本経済新聞社、¥1,680
山崎元氏によれば、インデクス・ファンドは必ずしもベストの選択ではないとのことですが、それでもほかの金融商品に比べればかなりマシなのではないでしょうか。と言うわけで、「敗者のゲーム」です。この本、はっきり言えば退屈な本です。個別銘柄について勧めるわけでもないですし、タイミングを計ることも無意味と説く。極端にいえば、インデクスファンドを買って投げておくことを勧めているわけですから(笑)。しかし一読の価値があります。多くのかたがご自身のブログで取り上げておられる名著です。

 まずタイトルがふるってますね。市場に勝つためのゲームは結局「敗者のゲーム」、つまり無駄な努力でしかありません。ではどうすればいいのか。筆者は、運用目的を果たすための基本方針を策定し、インデクス・ファンドを購入して、運用機関とよく話し合い、長期的に運用することを勧めます。現在のような時勢では、証券会社のかたとお話をする機会というのはほとんどないと思いますが、本来ならこのような機会を設けるべきだと思います。もっとも、われわれのようなゴミ投資家は証券会社が相手にしてくれませんが(笑)。

 大切なのは、運用基本方針を策定し、それを忠実に守っていくことだと筆者は説きます。運用方針を作るのはぜひ皆さんも一度やっておかれるとよいと思います。私の場合は、現在の状態とこの先10年ぐらいの見通し、その中で今後5年ぐらいの相場観を書いておいて、状況の変化と相場の変動を見ています。状況が大きく変わるようなことがあっても、投資の内容が変わることはほとんどありません。「長期投資」が基本なので、売ることがほとんどないのですよ(笑)。
 本来、この「運用基本方針」は運用機関との認識のすりあわせのために行うものでしょうから、方針を自分だけで決めて公表しないのは問題なのでしょうが、それでも自分の投資の軸を定めておくためには必要だと思います。ないよりはあったほうがよろしいでしょう。
 とかく、そのときの相場で自分の手持ちの株を売ろうとか、買い増ししようとか、いろいろ「よけいなこと」を考えてしまいがちです(笑)。そのようなときに、自らが計画した「運用基本方針」は支えになります。それでもまだ心が動くときには、この本に帰ればよいでしょう。もちろん、環境の変化で、自分の投資の状況が大きく変わることはあります。6年前の今日のような事件もそうですし、自分の中でも子供が生まれたり、親が要介護状態になったりなど、さまざまなことが起こりえます。もちろん、自分の運用方針に常に従わなければならないのではありません。大事なのはそこでパニックに陥らないことでしょう。あわてて売買する必要はないということです。

 この本、まだ読んだことがないかたにはお勧めです。そして何度も目を通すこと。大事なことがたくさん詰まっています。
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2006年09月25日

これからの資産形成を考える会編著「「長期」「分散」「最適」で考える世界一シンプルな投資法」

これからの資産形成を考える会編著「「長期」「分散」「最適」で考える世界一シンプルな投資法」講談社、¥1,575
バンガード・グループ、マネックス証券などが一緒になって作った本だそうで、いちばんの目的は退職後に備えた資金をどう貯めていくかを、ワークシートに従って作っていく本ですが、退職後だけを見据えるだけでなく、お金をどう貯めるかを考えるのによい本です。「お金のためかた」についてはバンガードが執筆しており、アメリカの実情に即して書いてあるので、日本では当てはまらないこともたくさんありますが、こういうノウハウについてはやはりアメリカが進んでいると思います。制度の後押しもあるからですが、私にとってはとても勉強になります。ワークシートを使って自分の実情にあったものを作らせたり、考えさせたりするのはさすがです。退職後のみならず、自分のさまざまなシチュエーションを思い浮かべながら「使う」ことのできる本だと思います。
 この本のよいところは、非常に具体性に富んでいるところです。一般論として考えるべき点をあげてあることと、ケーススタディとして個別の考慮する事情を上げてあることは、きっと多くの人が参考にできるのではないかと思います。ワークシートを使い、具体的な数字として自分の問題点を客観的に見つめさせる手法は、とても説得力のあるものだと思います。
 そして「具体性」には反しますが、個別の商品をまったく推薦していない点も好感が持てます。バンガードグループ、マネックス証券、トヨタファイナンシャル・サービスなどの「お金のプロ集団」が参集していらっしゃいますが、自社の商品を宣伝しているわけではありません。バンガードはノーロードのインデクス・ファンドの提供で有名ですが、決してそればかりを勧めているわけでもありません。もちろんほかの二つの証券会社のこともあるでしょうが、バランスのとれた物言いができていると思います。

 さて、こうした具体的なノウハウもですが、読んでおもしろいのはマネックス証券の松本大氏が書かれた第二章です。彼がウォール・ストリートで学んだこととしてあげておられるのが、まず数学の基礎的な素養と考え方です。トレーダーは「流動性をもっとも重要視」すること、「マーケットは常に自分よりも正しい」ことを認識し、謙虚さと臆病さを失わないことを学んだということです。比較していいかどうかわかりませんが、たしかに山崎元さんにしても謙虚で臆病(「臆病」という表現が適切かどうか微妙なところですが)というのはなんとなくわかる気がします。フジマキさんが当たっているかどうかもちょっと微妙ですね(笑)。結局学ぶのは利益をあげる訓練ではなく、「『リスクを下げる訓練』だった」(p.153)というのも印象に残ります。一方で「結果」を残さなければ評価されない。厳しい世界ですね。また優秀で立派な成績を上げているトレーダーは皆、好奇心のかたまりのような人だそうです。

 著名ヘッジファンドから学んだことは、一次情報を手に入れるための努力を惜しまないということです。また、そうした人々は「運のいい人とだけ付き合う」ということで、「ツイてない人とは、会うことも、話すことも避けていました」(p.157)というのも印象に残りました。私なんか声もかけてもらえませんね(笑)。「才能と欲のほかに、もう一つ大きな、そして最大のファクターが『運』なのです」(p.157)もなるほどと感じます。運…… これも私はどうでしょうか(笑)?

 プライベートバンク(PB)については、ご自身がつきあわれた対照的な二つのPBをあげておられます。どちらかといえば老舗の、より「PBらしいPB」に好感を抱いておられるようです。良い悪いというよりは、老舗のPBが松本氏に向いているということでしょう。そして、「自己責任」−−自分で判断することの大切さにつなげておられます。

 投資で成功するためには、数学に強く、高いモラルと理想を持ち勉強を怠らず、何にでも好奇心を持つことが大切だとのことですが、それは投資に限りませんね(笑)。こういう人はどの業界にいても必ず成功するでしょう。

 この本、2005年12月の出版ですが、いつ読まれてもいい本です。急いで購入されなくてもよろしいですが、特に松本社長の第2章だけは、量もそれほどないので、立ち読みだけでも早めにされることをお勧めします。具体的なマネープランについてはこの本でなくても勉強できると思いますが、考え方の基礎を学ぶことができる点では早いほうがよいと思います。前述しましたが、具体的な銘柄を選ぶ参考にはならないと思います。しかし個人的には、「具体的な銘柄はなんでもよい」と思います。むしろ大切なのは資産の配分であり、考え方(「哲学」と言い換えてもよいでしょう)だと思います。そしてこの本、購入されたら必ずワークシートを実際に書いてみることが大事です。
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2006年09月13日

山崎元著「お金をふやす本当の常識―シンプルで正しい30のルール」

山崎元著「お金をふやす本当の常識―シンプルで正しい30のルール」日本経済新聞社、¥700
山崎氏(以下「筆者」と表記)の著作をはじめて読みましたが、これはまちがいなくいい本です。端的に表れているのが「まえがき」の部分で、「著者としては、読者が、お金の運用を楽しみながら、お金をふやし、かつ理不尽な損失を被らないために、類書にはない、有効なヒントがいくつかあるのではないかと密かに自負する次第です」(p.5)という一文から筆者のこの本に対する並々ならぬ意気込み、自信が感じられます。またこの本、以前に出した本を改訂し、文庫化したものですが、基本的なアプローチは変えておられずに、単行本出版後の状況の変化を盛り込み、文庫化を「満足」としてとらえておられる点(あとがきより)にも好感が持てます。安いですし(笑)。

 肝心の中味も、投資家寄り(販売サイド寄りではない!)で、ダメなものをダメとおっしゃっている点がGOODです。初心者に向けて書かれた本(ただし筆者は「初心者向けの金融商品はない」と喝破している)ですが、初心者を超えた人にも理論的アプローチを紹介していて、たぶん多くの人が楽しめる(そしてほぼイコール勉強になる)本だと思います。

 投資の初心者向けのルールとしては、「分からない運用商品には手を出さない!」(ルール1)、「若いうちは「稼ぐ能力」を鍛えよう!」(ルール5)、「リアルかつシンプルに家計を分析しよう!」(ルール6)などが有効だと思います。また「使用目的別の運用はムダ!」(ルール7)、「長期投資でもリスクは減らない!」(ルール10)、「ドルコスト平均法を信じすぎるな!」(ルール12)などは、私など漠然と「そういうものなんだろう」と思っていたことと異なっており、「なぜだろうか」「本当だろうか」と考えさせるきっかけになりました。投資の本(あるいは証券会社のうたい文句)と違っていますよね。

 知っていたことも知らなかったことも含めて、この本は有益でした。知っていたことでも改めて理論的なフォロー(これは安心感ともいいます)を得られましたし、知らなかったことは純粋に新しい知識を得られた点でよかったです。

 しかし同時に厳しい本です。投資するなら覚悟を決めろと迫られているような部分もあります。しばしば、投資は自己責任といいますが、「わけが分からずに物事を決めて泣き寝入りするような自己責任ではなく、本人が納得した上で決めたことの結果を朗らかに受け入れるような自己責任でありたいものです」(p.18)とありますが、結局損をしてみてはじめて、自分で自己責任を引き受ける覚悟があったかどうか分かります。私の場合で言うと、最初に買ったファンドが多額の損失を抱えたまま償還を迎え、かなりショックでした。ただその後、自分の納得のためにじっくりいろいろな商品を研究するようになったので、結局その損以上の利益プラス知識まで得られたと思っています。

 筆者は運用サイドにいらっしゃったかたなので、セル側の意図をよくご存じです。セル側にももちろん良心的なかたもたくさんいらっしゃいますが、総じてバイサイドに損や不利益を負わせるように商品設計がなされていることが多いので、筆者も注意を喚起しておられます。そうしてみるとわれわれが買える商品がいかに少ないか、落胆してしまいます。この中でどう納得し、どう自己責任を引き受けるか。これは個人の置かれた立場や状況によって違います。私も自分なりに、「あるべき姿」を常に考えながら投資に励みたいと思っています。
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2006年09月04日

デヴィッド・バック著「自動的に大金持ちになる方法-オートマチック・ミリオネア-」

デヴィッド・バック著「自動的に大金持ちになる方法-オートマチック・ミリオネア-」白夜書房、¥1,600
「オートマチック・ミリオネア」−−なんとすばらしい響きでしょう(笑)。「すぐに」なれるわけではありませんが、比較的「簡単に」大金持ちになることは可能だと筆者は説きます。キモは、
1)まず自分に支払う  できるだけ多くのお金を401k(米国の、です)などの退職口座で積み立てる
2)「ラテ・マネー」をなくす  つまらないものへの浪費をやめる
3)「備えあれば憂いなし」預金  万が一のために、生活費の3か月〜24か月分を、いつでもおろせるMMF(米国の、です)に入れる
4)家を手に入れよ!  ただし、支払い方法に注意。1か月単位で返すのではなく、隔週単位で返す。または支払額を10パーセント増やす。
5)クレジットカードを使わない
6)寄付をする  ただし税金の控除を忘れないこと。
ということになります。内容は、まあどれも至極当然なことです。大切なのは、これらを「自動化」すること。給与天引きなどの方法で、自分の手を煩わすのを1回だけにすることを強調しています。

 この本、当たり前のことしか書いてありません。しかし、それは大切なことです。ここ数年、ずっと新刊書籍を年間に10冊程度しか買っていませんでしたが、今年に入ってからすでに数十冊の本を買っています(笑)。私にとっては本こそが「ラテ・マネー」だと気がついていたのに、このブログで紹介することを免罪符にして、たくさんの本を買っていました。悔い改めます。

 ついでですが、アメリカには401kなど、預金以外にもさまざまな蓄財方法を政府が提供しているようですが、うらやましいです。厚生年金のある会社にいると、個人で401kをすることができない日本は不利だと感じてしまいます。財形制度がありますが、基本的に預金ですから、現在のような低金利下ではほとんど意味がありません。ありませんが私もやっています。しかし、もう少し金利がついてくれれば−−せめて3〜4%−−それなりの意味を持つと思うのですが……

 またこの本、アメリカの話で日本では関係ないという向きもあるでしょう。制度の違いで、日本では使えないものもあります。しかし考え方は参考になります。たとえば「まず自分に支払う」。給与からの天引きでは、財形預金が使えますから、これを利用しない手はありません。使途が決まっていなければ一般財形、住宅の購入や補修などで使える住宅財形、年金資金の積立として使える年金財形があります。特に住宅財形と年金財形は両者を併せて550万円までの非課税枠がありますので、金額はそれほど多くないものの、これを使わない手はありません。また多くの銀行では、自行の口座から毎月決まった日に自動的に定期などに振り替える積立定期のような商品があるので、 これも利用するといいのではないでしょうか。こうして積み立てる行為を自動化しておけば、割と楽にお金を貯めることは可能だと思います。問題は運用で、現在の預金利率を考えれば、いつまでも定期で投げておくのは無駄なので、ある程度の金額が貯まればほかの金融商品に振り替えてしまうのがよいでしょう。銀行によっては、毎月自動的に投資信託を買うプログラムもありますが、ご存じの通り、それなりの手数料が銀行に入る仕組みになっているので、私はあまり好きではありません。どうしてもその銀行で投資信託を買いたいのであれば、手数料の最も安い商品を探して購入するのがよいかと思います。
 残念なことに、401k(日本版)は、会社員で厚生年金に加入している場合は、会社が401kを導入しないとできないのですよね。私の場合もそうで、会社にはことあるごとに401kの導入を働きかけているのですが、実現にはいたっていません。いっそ、個人事業を立ち上げて(サラリーマンは続けたまま)、401kの払い込みだけしようかと考えたりもしますが、労力を考えると実現にはいたりません。

 「ラテ・マネー」は、ある意味いちばんむずかしいのではないでしょうか。「ラテ・マネー」をなくすいちばん効果的な手段は、やはり自分が使ったお金をきちんと書面に書いてみるということでしょう。「実際に金額を確認する→あまりの多さにショック→悔い改める」という図式が大切かと。「自分にとってのラテ・マネー」が何かに気がつかなければはじまりません。きっと誰でも、何らかの「ラテ・マネー」があるはずです。

 住宅の購入については、戦略としては正しいようにも思います。ただし基本的にはなるべく借金をしないこと、そして借金をする場合にはなるべく早く返し終えるような努力をすることが大切です。でも私には家を買う予定はありません。

 そして最後が寄付です。日本では所得の1/4を上限に、寄付額から1万円を引いた金額までを税額控除の対象としてくれるので、お金を儲けた人は寄付しましょう。街頭でやってるいかがわしい募金(全部がそうではないと思いますが)ではなく、それなりの機関へ。
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2006年08月07日

横田濱夫著「200万円から始めるお金持ち入門」

横田濱夫著「200万円から始めるお金持ち入門」講談社、絶版

 すでに新刊としては流通していない本ですが、ご紹介しておきます。2000年4月の出版ですからもう6年も前の書籍です。横田濱夫氏の著作は「はみだし銀行マン」シリーズを何冊か読んだことがありますが、平易な言葉で書いてあって読みやすいです。どの本でも、ひとつ手にとって見られるとよいかと思います。

 さて、この本の内容ですが、さすがにもと銀行マンだけあって、非常に手堅いです。冒頭に「第一目標! 目指せ貯蓄額200万円」というのがあるのですが、そこで守るべき10か条として、

1) 良い友達を持つこと
2) 自分を愛すること
3) 本業の仕事に打ち込み、財テクに浮かれぬこと
4) 趣味を持つこと
5) 新聞の経済欄は毎日読むこと
6) おのれの可能性と限界を、冷静に分析すること
7) ことお金に関しては、性悪説で臨むこと
8) 健康に気を配ること
9) 借金の保証人にならぬこと
10) 親や先祖を悲しませぬこと

どうですか。「地に足のついた」指南だと思いませんか? これはお金をもっていない、あるいは貯めようとしている多くの人が心に刻んでおくことだと思います。同じ頃に木村剛氏の「最新版 投資戦略の発想法」(ただし私が読んだのは旧版)を読んでいますが、同じような内容だと思って読んだ記憶があります。

 また、保有資産別の注意事項というのがあって、保有する金融資産の額によって、5段階に分けています。
1) 200万円以下 根性を入れなおす
2) 200〜1,500万円 自分の将来像を具体的に描く
3) 1,500〜5,000万円 「欲」にご用心
4) 5,000〜2億円 「品格」を心がけたい
5) 2億円以上 アコギな金儲けもほどほどに
となっています。金融資産は徐々に増えていくものでしょうから、資産額が次のレベルに達したからといって急に自分が変わってしまうわけでもないようのでしょう。これまで貯めてきたのと同じスタンスで、これからも貯めていくのだとすれば、金融資産がそれほどないうちから「欲」や「品格」に心を配っておくほうがよいでしょう。

 この本には他にも、実用的な知識がたくさん詰まっています。いくつか私が心がけていること(「10か条」もそうですが)の一つに「借りた金で投資してもうまく行かない」というのがあります。株式投資でこれは儲かるだろうというのがあって、現金の持ち合わせがないと、ついお金を借りて投資したくなりますが、この言葉を思い出します。

 さすがに6年前の書籍とあって、内容的には陳腐化しているところもあります。例えば公社債投信を勧めているくだりがありますが、今この金融商品に投資している人はほとんどいないでしょう。私も年率2%ぐらいまではがまんして預けていましたが、その後は全部解約してMMFに移しました。しかし基本的な考え方は古くなっていないと思います。

 もういまやこの本は売っていないようですので、興味をもたれたら、図書館に行ってみてください。
横田濱夫氏の著作
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2006年07月24日

江畑謙介著「情報と国家」

江畑謙介著「情報と国家―収集・分析・評価の落とし穴
ITという言葉があります。"I"はInformationのIだと誰もがご存知のことと思います。ではそのInformationって何? 
・データ 細かく分かれた個々の現象や定量的な特性。それだけではまだ何を意味するかわからない種類の「情報」。
・インフォメーション 分析(解析)、評価(判断)を行える、種類ごとの「情報」。
・インテリジェンス インフォメーションを評価、分析したもの。
この違いをわかるだけで、この本は読むのに十分価値があると思います。最初の数十ページだけでも、といったら江畑氏にしかられてしまいますが(笑)。日本語の貧弱性を述べておられますが、結局今まで、日本では「情報」という言葉ですべてが片付いていたということでしょう。だが現代ではそうもいかなくなってきたということですね。だいたい、データという言葉自体、日本語にないですものね。インテリジェンスもしかり。

 湾岸戦争の頃、江畑氏がテレビに出られるようになってから、客観的かつ冷静な語り口に好感を持っていました。著作ははじめて読みましたが、同じ印象をもちました。「はじめに」を読み、目次を読んだら、この本はもう半分以上読んだものと思っていいです。フジマキさんの本もそうでしたが、はっきり言って買わなくても(笑)、立ち読みで目次をしっかり読んでおけば内容は100%理解できると思います。それでもフジマキさんの本といいこの江畑さんの本といい、買って手元に置いておく価値は充分あります。フジマキさんの本は「鮮度」がもっとも重要で、江畑さんの本とはちょっと違いますが。

 国家が情報に左右されることがあると江畑氏はおっしゃっておられます。イラクの問題では、実際に大量破壊兵器や生物・化学兵器がないにも関わらず、「ある」と決めつけて結局フセイン政権を転覆させてしまったこと。攻撃した米英、追随した日本をはじめいくつかの国々。また日本では北朝鮮のミサイルについても、過大評価と過小評価を交互に繰り返している実態。中国の状況を推測する米軍や台湾。過小評価することによる危険と、過大評価をしてしまうために膨大な無駄が生じる可能性…… どれもよく考えなければなりません。
 あるインフォメーションがあって、それに評価・分析を加えていく際、基本は「結論を先に決めておかないこと」。先のイラクの例で言えば、「イラクには大量破壊兵器があるはずだ」という結論が先にあり、その証拠を見つけることが目的となってしまい、結論が無言の圧力となったり、証拠の正しさを確認することを怠ったりすることにつながってしまう。先入観を持たず、出てきた証拠を客観的に評価しなければなりません。
 大切なのは「得られた情報(それが外国の情報機関からもたらされたものであっても)を正確に分析し、評価するように努力するしかない。(改行)それには、常識と専門知識とを駆使すること」(pp.172-173)であり、得られた情報を「そのまま信用するのではなく、再度、独自に客観的立場から分析してみるなら、ポーランドのように「だまされた」などといわずにすむようになるだろう」(p.173)と述べておられます。

 これは投資でも同じことが言えます。「ある株が儲かる」あるいは、「ある投資手法はすごく利益が上がる」など、「情報」に踊らされていないでしょうか? そしてそれが幸運にも一度成功したり、あるいは失敗しなかった場合、それが絶対に正しいと頭から信じ込んでしまう危険。情報そのものも玉石混淆で、自分にあっていると自分で思ってしまったものだけを取り上げ、違うと思ったら頭から排除し、全く受け付けない。それが正しいものかもしれないという可能性についてはまず考えない。

 インターネットは情報の宝庫だと思います。またインテリジェンスもたくさんあると思います。しかしその区別は普通はつきません。自分と同様の考えの人については「インテリジェンス」と判断したくなりますが、それが本当にそうか、検証しなければなりません。データやインフォメーションは正しくとも、誤ったインテリジェンスがくっついているのかもしれない。しかしその検証は、相当に長い期間をかける必要があり、正しさ(あるいは誤り)が検証できるころには、一財産築いているか、さもなくば一文無しになっているかどちらかでしょう(笑)。頭から「正しい」「まちがっている」がインプットされているため、何の偏見もなく純粋に対象だけ見つめるのは不可能だと思います。江畑氏も、実際に英米の誤りを批判することは簡単だけど、いついかなるときも客観的かつ冷静に情報を収集したり、インテリジェンスを加えていくのは難しいだろうと述べておられます。イラクの例で行けば、世界中の誰もが、イラクには大量破壊兵器があると信じて疑わなかったわけですから。フランスやドイツもたぶん大量破壊兵器の存在を信じていただろうが、だからこそ証拠が出てくるまで武力行使は控えよといった点は正しい姿勢だったと思います。しかしその彼らにしてすら、もちろんいつも正しいとは限りません。

「得られた情報を常識と専門知識から判断する」というのは大切なことです。たとえば銀行や証券会社で実際にさまざまな金融商品を勧められます。購入する前に、それが自分に適した金融商品であるかどうかを評価しなければなりません。手数料が3%の投資信託がある。するとおおざっぱに言えば、投資信託購入時点で元本97万円からのスタートとなってしまいます。毎月分配してくれる投資信託があれば、配当に対して毎月税金を20%支払っているという事実。「お金がお金を生む複利の効果」を最大限に活かそうと思えば、こうしたことは私たちの不利に働きます。それが本当に私たちに適した金融商品なのか? 私もネタがないのでいつも同じような金融商品を同じように批判していますが(笑)。

 もちろん、人によりますよ。私にとっては良くない、私には適していないだけで、こういうものがかえって都合がいいというケースはあると思います。手数料をたくさん払うことによって、金融機関に文句が言える動機になるとか。それぐらいしか思いつきませんけど(笑)、ま、多様な意見があっていいでしょうから(笑)。
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2006年06月21日

ボード・シェーファー著「イヌが教えるお金持ちになるための知恵」

ボード・シェーファー著「イヌが教えるお金持ちになるための知恵
 大きく影響を受けた1冊です。「イヌが教える」というところが子どもっぽくて、はじめはバカにしていたのですが、実際読んでみると非常に勉強になりました。はじめて読んだのはたぶん2001年ごろだったと思いますが、今までにもう4、5回は読み直しました。たくさんの人に読んでもらいたい本のひとつです。

 この本では、マネーという名のイヌが、11歳の女の子キーラにお金についての考え方を教えていきます。キーラは教えてもらったことを実践し、やがて成功します。「成功」は単にお金がたくさん貯まったというだけではありません。学校の友達の前で、自分のお金に対する体験を話したり、それを本にしたりして、彼女は友達からも、大人からも認められる存在になります。

 キーラが体験したことや学んだことはたくさんあります。「夢」というと大人のわれわれにはちょっと照れくさい。実際、キーラは親からバカにされて、ふてくされることもあります。しかし大事なのは目標を持ち、その実現のために努力すること。写真や絵を集め、目標を具体的にすることを説きます。また、自分にできることは何かを考え、それを着実に実行していきます。チャンスは自分の前にあります。一歩一歩の積み重ねが大切だということですね。

 自分に効いたのは、「お金を汚いと思ってはいけない」「お金自体は人を幸福にも不幸にもしない」といったことです。とかく「貧乏父さん」風に、「お金は汚いから、お金をたくさん持っている人は悪いやつで、お金がたくさんあると逆に不幸になる」などと考えてしまいがちですが(笑)、もちろんそんなことはありません。「お金は汚い」と思いこんでしまうと、お金のことを考えず、かえってお金に振り回されてしまうのではないでしょうか? 積極的にお金のことを考えていく姿勢は誰にとっても必要なものだと、この本を読んで思うようになりました。
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2006年06月12日

藤巻健史著「直伝 藤巻流「私の個人資産」運用法」

藤巻健史著「直伝 藤巻流「私の個人資産」運用法
藤巻さんの論点は、「資産インフレ」と「円安」です。やがて訪れるこうした事態に備えて、できる限り借金をして不動産を買い、ドルを買っておくのがよいと言っておられます。
 私は、円が130円を超えるような極端な円安になるとはあまり思えません。貿易黒字が増えて、結局円安は円高とセットで、結局為替相場は動きにくいと思うからです。しかし、フジマキさんは直近の状態をいっておられるわけではなく、10年、20年というスパンを考えておられます。日本の財政赤字は無視できないから長期的には円安との考えには、私も同意します。しかし、その前には円高があると思います。というわけで、フジマキが円安になると言うのであれば、私は円高に賭ける!
 いやいや、賭けてもしょうがないのですが、円高への準備としたら、円高時にドルを買えるようにお金を用意しておくということですね。とりあえずは外貨MMFへの投資と、その原資として、円が安い場合の邦貨MMFでの運用。先ほども書いたとおり、長い目で見れば円安傾向に向かうだろうという気はするので、ドルなどの外貨で資産を保有しておくことは大切だと思います。

 他にこの本のポイントですが、長い目で見た日本経済・世界経済の先行きを語っておられます。こういう視点は大事だと思います。日本でも今年の秋からの総裁選挙をはじめ、政治的ないろいろな動きがあります。いずれ再来年ぐらいに消費税は10%ぐらいまで上がるといわれています。資産インフレにしろ円安にしろ、早めに準備しておくのがよいでしょう。

 なお、藤巻さんがとっている、できるだけ借金して資産の多くを土地などの不動産と外貨に分けておくという戦略は、私にとってはできません。特に借金部分が。いつクビになるかもわからないし、そうしたリスクは私にはとれません。自分の甲斐性で、多額の借金を抱えられるようにはなりたいと思っていますが(実際に借りるかどうかは別として)。
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2006年06月07日

山口揚平著「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」

山口揚平著「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本
Good Book! これは山崎元氏も推薦しておられる書籍です。はっきりいって税込み1,575円は安い。投資関連の本としては、今まで読んだ中でもかなり上位、10冊以内に入る良質の書籍だと思います。

 「投資は目的ではなく、手段である」という言葉には非常に共感しました。私たちはついこのことを忘れがちで、株価の上下に一喜一憂し、大切なことをなおざりにしてしまっています。
 「投資は手段」であるから、企業の価値を見抜き、割安に購入し、時期を見て売却する。その一連の流れが大切です。参考になるサイトや文献も巻末に表示してあり、これ1冊で株の取引についてはしばらくOKだと思います。また私の好きな「行動ファイナンス」についても言及してあり、たいへんお買い得の1冊であるといえます。
 私は「自分のものさし」、つまり自分が株を購入する企業に都合のいいストーリーを創作して(笑)買ってしまっていました。当然「妥当な価格」などはあまり考えていませんでした。直近のチャートを見て、雰囲気で買っていたというのが正直なところです(笑)。しかし当たり前のことですが、株の価値の仕組みを理解し−−株式投資の本質は価値の交換である−−、企業価値をはじき、価値の源泉を見抜くことが必要になってくる、いってみれば当たり前の話です。しかし私はこの当たり前のことすらしていなかったわけですし、私に限らず、これまで日本人はこういったことをあまりやってこなかったともいえるかと思います(本当にやってこなかったのかを確認するすべを私は持っていませんが)。

 こんなことを言っていいかどうかわかりませんが、この本、各章末に「まとめ」が載っています。これだけ立ち読みすれば10分かからないでしょう。それだけでも目を通しておく価値があります。買っても1,575円ほど。まとめを読んで、気に入ったら買えばよいでしょう。しかし個人的には、ぜひ手元に置いておくべき本だと思います。


 ちなみにこの書籍に関連して、企業価値を計る証券コードを入れるとその企業の価値を算出するサイトがあります。個別株を買われる際には便利だと思います。
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