2008年05月10日

マネーはこう動く

藤巻健史著「マネーはこう動く―知識ゼロでわかる実践・経済学」光文社、¥1,575
気がついたら、フジマキさんの本が出ていました。発行が2007年7月30日。8月20日でもう4刷です。ちょっと遅くなりましたが、手に入れて読みました。まえがきによると、フジマキさんの資産運用のしかたを通して、「自然に金融とか経済の基本的な知識が身につくのを目標にしたいと思います」(p.2)との意図で書き進められていますが、そのとおり、今の日本経済が抱える問題の丁寧でわかりやすい説明になっていると思います。

 さて、最初に日本銀行のバランスシートを通して、日本経済の抱える今の問題を明らかにしています。現在の問題とはすなわち、日本にマネーがじゃぶじゃぶあふれるほどあるということ。これは国債の発行残高が800兆円を超えていることと決して無関係ではありません、話の流れとしては、国の借金が1996年から2006年までの10年間で2.5倍にふくれあがってしまった。この国債は市中銀行も買いましたが、それだけではさばききれない。だから日銀も手伝って国債を購入しました。この国債を買うために、日銀がたくさん日本銀行券、すなわちマネーを刷ってきました。この、日銀がたくさん刷ってきたマネー、これと日銀にある市中銀行の当座預金を足した金額がベースマネーですが、本来であればベースマネーが増えると信用創造を経て、マネーサプライが増えるはずです。しかし信用創造が起きず、ベースマネーがマネーサプライにつながらない状態になっています。

 この段で行くと、もし何かのきっかけで信用創造のメカニズムが働くようになると、ひょっとしたらインフレ、しかもかなり大きなインフレが起こる可能性があります。ここからフジマキさんのいつもの話につながっていくのですが、要するにこれから資産インフレが起こるかもしれないので、「長期固定でお金を借りるだけ借りて、日本の不動産を買う」、「日本株を買う」、「日本の国債を売る」という話につながっていきます。もう一つ、フジマキさんは「インフレが起こるかもしれないので、外貨建て資産を持っておけ」という流れになります。中でもアメリカの株はまだまだ上がる、アメリカの経常赤字もサブプライムローン問題も関係ない、じゃんじゃん買うべきとのことです。現在はサブプライム問題が尾を引いていて、為替は円高方向、アメリカ株は下落方向に向かっていますが、見かたを変えれば、ドルや株が安くなっているうちにたくさん買っておくべきということになるでしょう。私は、方向としてはフジマキさんのおっしゃっておられることに賛成です。手持ちの預貯金は、可能なかぎりドルやその他の通貨に変えておくことは有効だろうと思いますし、借金をしてまで買うかどうかは別として、土地などの資産を買っておくことはまちがっていないのではないかと思います。

 本文中、アメリカの経済は絶好調だからバブルはない、アメリカ人もバカじゃないからサブプライム問題などぜんぜんリスクのうちに入らない、みたいな強気の発言が見られますが、このあたりはご愛敬ですかね(笑)。実際にはアメリカこけたら世界経済全体にも悪影響が及ぶおそれがあるでしょうから、笑っているばかりでもいられませんが。それでもヨーロッパは順調ですね。ずっと前から、ユーロを買っておくべきだと思っていましたが、わたくしがユーロを仕入れた120円前後の価格がアンカーになっており、結局買えずじまいで、今の局面を迎えています。

 グローバル化と少子化問題の進展で、日本経済の行き着く先が懸念されていますが、確定拠出型年金についてはやはり早めにはじめておかれる方がよろしいのではないでしょうか。運用期間が長いほどたくさん増えるはずです。仮に増えないとしても、今の確定給付型は破綻する、または払った分ほどはもらえないでしょうから(笑)、それなら自己責任で運用するほうが「やられた」と思う感覚は少ないのではないでしょうか。訳もわからないうちにお上に召し上げられるより、自分で運用するほうがずっと「やりがい」があると思います。

 ざっとフジマキさんの議論を見てまいりましたが、私はおおむねフジマキさんの論には賛成です。借金してまで資産インフレに備えるかと言われればそこまではしませんが(だいいち普通の人に、運用のためのお金を貸してくれる銀行はありませんよね)、それでも株と外貨建て資産を増やしていきたいと考えています。
posted by zxcvaq at 09:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆☆☆ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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