2007年10月31日

日垣隆「知的ストレッチ入門」

日垣隆著「知的ストレッチ入門―すいすい読める書けるアイデアが出る」大和書房刊、¥1,365
これは勝間さん言われるところの勉強本で、買うなと言われている矢先から買ってしまいました(笑)。でも勉強になります。なにごともアウトプットを意識し、そこにつなげるようにすると、私自身も気に掛け、勝間さんもおっしゃっていましたが、それをもっと徹底しなさいと日垣さんは言っておられます。

 これはブログに限らず、すべての日常、すべての業務にも言えることだろうと思います。抽象的ではなく、定量的に言えるようにすること。がんばるとか、精一杯するとか、言葉としては何の意味もありません。堅苦しい言いかたになるかもしれませんが、今後は私自身、抽象的ではなく、具体的に表現するようにします。子どもに話すときも同じ。なんとなくわかったつもりで、それとなく示唆するのではなく、具体的に。ただし最初から答えを言うのではなく、考えさせること。子どものうちからやってれば、少しはモノになるのではないでしょうか(笑)。

 知的ストレッチの3原則が冒頭に出てきます(p.19)。
1. インプットは必ずアウトプットを前提にする
2. うまくいった諸先輩の方法をどんどん採り入れる
3. おのれを知る
そしてこの3原則から、「知的ストレッチ」として具体的に7つのアプローチが展開されます。すなわち、
1. 読む
2. 構える
3. 考える
4. 創る
5. 書く
6. 疑う
7. 決める
つまり、読みかた、構えかた、考えかた…… を解説してくれています。さすが日垣氏、まとめかたもうまく、「なるほど〜」とうなりながら読みました。たとえば「読む」では、素直に読むこと、大量に読むこと、付箋の使いかたなどを解説しています。そして「いったん本を読み終えてから、5分程度かけて、付箋を貼ったり角を折ったり書き込みをした箇所だけ、まとめて再読します。この「まとめて再読」があるのとないのとでは、その後の読書力は30倍ぐらい違ってくるでしょう。(改行)黄金の5分間です」(pp.48-49)。なるほど。ブログで取り上げる前提で本を読むと、自然とこういう読みかたになります。しかしアウトプットを前提に、大量に本を読むことは普段ほとんどないので、機会があれば活かしたいと思っています。
 テクニック的に参考になることがけっこう細かく書いてあるので(特に前半)、こういう「知的生産の技術向上」を狙っているかたには参考になることが多いでしょう。

 この本、カバーには日垣氏の使っている書類整理用のクリアチェスト「MEDIX (メディックス) A4ファイルユニット ホワイト」、本文の表紙には氏のオーダーメイドカバンの写真が使われています。クリアチェストはどこでも買えるでしょうから、かばんをもう少しくわしく見てみたいですね。その意味で、この本にイラストや写真が豊富に使われているともっとよかったと思います。しかし記述はかなり具体的ですからあえてビジュアル化はせず、逆に「読み手のほうでいろいろ考えて自分の思うとおりにやってみたら」と言う日垣氏のメッセージなのかも知れません。

 前書きで日垣氏は本書のことを、「すぐに使える21世紀版「知的生産の技術」を目指しました」(p.2)とありますが、その試みは成功していると思います。ただ、氏も言っておられますが、こうした技術はテクノロジーの進展ですぐに陳腐化します。自分で満足してしまうことなく、いろいろ試してみることが大切なのだろうと思います。ひとつでもやってみると、自分がずいぶん変わると思いますよ。そしてこの本、あくまで「入門」です。中級、上級へと進めるかどうかは、自分でいろいろとやってみることにつきると思います。
posted by zxcvaq at 06:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆☆☆☆☆(必読!) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月22日

現役プライベート・バンカーの5年後にお金持ちになる資産運用

前田和彦著「現役プライベート・バンカーの5年後にお金持ちになる資産運用~資産防衛のプロが教える「相場に左右されない」投資のルール~」フォレスト出版、1,575円
プライベート・バンカーによる資産運用の本です。日本人の多くがマネーゲームに巻き込まれてしまっているが、正しい資産運用を知らないと筆者はいいます。
 この本、非常に良心的だと思います。筆者がポイントを置くのは3点、
1) 流動性(換金性)を重視する
2) 「相場に左右されない」効率のよい投資を行う
3) 資産を保全する
というわけで、とても地に足のついた投資指南を行っておられます。金融商品については、だまされる人が後を絶ちませんが、その理由は「目に「¥マーク」が出ている」、すなわち欲に目がくらんでしまうからだとおっしゃいます。そして、「だまされるほうが悪い」と喝破しておられるあたり、好感が持てます。またデイトレーダの生き方を、儲かる・儲からないという観点ではなく、「人間は、何かを成し遂げたことを、みんなで共有してはじめて楽しいと感じます」(p.37)、「お金はなければ困ります。それなりにあったほうがいい。でも、ありすぎても意味はないのです」(同)といわれるあたり、私としても全面的に賛成します。また、効果的なお金の投資先は「自分だ」とされる点、多くの人が同じようなことをいっておられます。「収入を増やす一番のベースになるのは自分が勉強し、専門性を磨いたかどうかです」(p.45)。最近では勝間さんが同じことをおっしゃっています。
 金融商品について、一通りの解説を加えてくださっているのも役に立ちます。外貨、債券、不動産、投資信託…… 買わないほうがよいものが多いです(笑)。一般に海外で資産運用するのはむずかしいですから、よしておくほうがよいのかな? もし海外で資産運用するのなら、必ず事前によく勉強して、知識を身につけておいてから始めなければなりません(このあたりは自戒も含めて)。損するのは自分ですから。

 実践編として、「通貨ポートフォリオ」の考えかたと、その発展形としての運用方法を解説しておられます。外国債券については、「グローバル債」というのが出てきます。これは私、よく理解できていないので、ちょっと調べてみようと思います。通常の債券とグローバル債券を見分けるのがむずかしいので、証券会社にきちんと尋ねるようにとのアドバイスがあります。また、トリプルAの銘柄で長期の世銀債やアメリカ国債などを推奨しておられます。今のところはせいぜい5%ですが、金利10%の20年債などが出てきたら要検討とのこと。またベトナムや中国への投資についても言及していらっしゃるので、関心のあるかたは目を通してみてください。
 最後の第5章では、「一生お金に困らない生き方」が出てきます。外貨を円転しない生きかた、海外口座の活用法などは知っていて損のない考えかた、知識だと思います。私も常日頃、同じようなことを考えています。

 筆者はあとがきで、日本にも日本独自のプライベートバンクを創設することを提案しておられます。プライベートバンクは富裕層のための金融サービスでしょうから、私たち庶民にはあまり関係ないかもしれません。仮に私にひとかどの財産があっても、プライベートバンクのようなサービスを使うかどうかはわかりません。私は、こういったことを自分で考えるのが好きなのであって、あまり他人に頼りたいとは思いませんし。しかし、自分が行き詰まったときに、誰か相談する相手がいるというのは心強いものです。そうした意味では、日本にもプライベートバンクのような存在は、あってよいのではないかと思っています。日本に本物のプライベートバンクができるまでは、この本で勉強してみてください(笑)。
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2007年10月08日

若者はなぜ3年で辞めるのか?

城繁幸著「若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来」光文社新書、¥735
企業の多くが成果主義を取り入れているが、その実態は年功序列のバリエーションに過ぎない。私たちはいまだに、中心に年功序列をおいた「昭和的価値観」にどっぷりつかっている。それは若者に厳しく、30代にはメンタルな負担を与え、中高年に早期退職を迫るシステムである。こうした価値観から逃れるために、複数のキャリアを許容する社会を作ると同時に、私たちは「内なる動機」に目を向けなければならないというのが本書における筆者の主張。

 私は30代後半ですが、すでにこのシステムに乗っかかり、おこぼれをあずかっています。ですからこの本を批判することができない。批判すると自分の首を絞めてしまいそうなのですよね(笑)。もし私が5歳若かったら、この本を読んで引け目を感じることはなかっただろうにと思います。きっと筆者の主張に全面的に賛成した上で、会社の上司などを捕まえてケンカをしていたのではないでしょうか(笑)。あるいは選挙に打って出るとか(笑)。「若者党」とか作って(笑)。私が現行システムを否定したら、スキルも人脈もない30代後半はどうしたらいいのか……

 私を含め、「内なる動機」に目を向けることは必要だと思いますが、果たしてそのようなモノがあるのでしょうか(笑)。日々、仕事に追われているのが実態。そうした中で、たとえば勝間氏のように自分の価値を高める努力を続けていくことはとても大事だと思います。

 それはそれとして、年功序列システムは今の年寄りだけが得をする仕組みだというのは当たっていると思います。先日、ある50歳代半ばの、しかるべき地位にいらっしゃる男性のかたから話を聞く機会がありました。そのかたは(他に年上の人もいる中で)27歳の女性を大抜擢して職場の中心においたという話をされましたが、その陰で職場の中心になれなかった30代、40代のかたがいらっしゃったんだろうなーと想像すると、「30代、40代の人たちがひーひーいって担ぐ御輿の上で、涼しげにふんぞり返る50代のおじさんと、そのとなりでうちわをあおぐ27歳の女性の図」が目に浮かび、なんだかフクザツな心境になりました(笑)。50歳代の男性も決して悪いかたではないのですが、日本全体がこういう世の中に変わってしまったのではないでしょうか? こういう書きかたをすると、年功序列に賛成しているのかと問われそうですが、結局、私はこのシステムを否定できない、「昭和的価値観」に乗っかってしまっているのだと改めて気づかされてしまいます。「既得権益を持っている年長者にすり寄っている自分」がいるのですよね。なんか悲しい……
 筆者がいうように、年金額は現時点から支給額を大幅にカットするというのは賛成です。自分の親を見ても、預貯金はたくさんありそうだし(笑)、今の人びとの既得権益を守るかわりに、将来の人に負担を強いる仕組みは現世代を食い物にするという議論には賛成です。現在困っている人にはセーフティ・ネットで保護することになるでしょう。どこかの政党が今突然にそのことを表明すれば、次の総選挙で躍進することまちがいなしだと思います(笑)。
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2007年10月02日

2007年10月の読書

旅行でずいぶんお金を−−もちろんその大部分は人民元預金に、ですが−−使ったので、いちおう次回のクレジットカードの締め日である10/15までは買い物を凍結することになりました(笑)。でもほしい本が何冊かあります。毎月このリストにあげるのはすでに手元にある本が多いですが、今回はそんなわけで、まだ入手していない本のほうが多いです。

 まず、西成活裕著「渋滞学 (新潮選書)」。日垣氏のサイエンス・サイトークに今年の前半に出ておられたかたです。高速道路の渋滞はどこで起きるかご存知ですか? まず第一に料金所。これはよくわかると思います。でもETCのおかげで、料金所での渋滞はずいぶん減っているようですね。問題はその次。料金所でなければどこで渋滞するのか? 答えは本書で。おもしろい本です。ぜひご一読を!

 続いて、トニー・ブザン著「ザ・マインドマップ」。これは言わずと知れた本ですが、勝間さんはじめ、いろいろなかたがいろいろな場所で言及しておられます。私も名前だけは存じ上げていましたが、いよいよマインド・マップも読もうと思います。本屋で立ち読みした限りでは、ビジュアルで楽しそうな本でした。早く読んでみたいと思っています。そして実践!

 3冊目は福岡伸一著「生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)」。同じ著者の「もう牛を食べても安心か (文春新書)」という本、おもしろかったですが読まれましたか? 食べ物からわれわれが栄養を取り込むイメージを根底から覆した衝撃的な本でした。新刊が出ればぜひ読みたいと思っていました。最初のところだけ立ち読みしましたが、続編と考えていいのでしょうか? 読みたい本リストの筆頭に上がる本です。

 最後の1冊はいちおう入手しています。柳澤美由紀著「運用以前のお金の常識」。いまさらという感じもしますが、復習もかねて読んでいます。知らないことはまだまだありますね! 勉強になります。お金に興味のない人も、こういう1冊は読んでおかれるとよいのではないでしょうか。株とか外国投資とかが苦手な人にも、お勧めです。
posted by zxcvaq at 06:32| Comment(0) | TrackBack(1) | 今月の予告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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